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[149]** アメリーさん ** |
2005/07/15 21:35 |
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どうも、またまたおじゃまします。
アメリー・ノートン、おもしろいですね。「畏れ慄いて」は、ティファニーで朝食をの映画に出てくる、ホリー・ゴライトリィにいつも苦情を言っている出っ歯の眼鏡を掛けた日本人を思わせたりして、おもしろかったです。ただ日本の商社でコピー紙をそんなに無駄に使わせるわけないだろうとか、気にかかるディテールはありましたけど。
一番おもしろかったのが「午後四時の男」で、夕方四時になると必ず訪れてただ椅子に座って二時間経つと帰っていく隣人の話です。それでそのほとんどしゃべらない男に対する主人公の過剰な反応がものすごくおかしかったりします。でも話が進むにつれ、主人公の老人は狂気の人となっていき、狂った結末へ向かいます。作品中にフーコーの「言葉と物」の冒頭のボルヘスの引用による中国の動物の分類が出てきたりして、哲学的でもあります。
それから「幽閉」は、恋愛文学的な作品で、数多くの文学作品の名前が出てきます。で、この作品でとても印象的だったのが、結末が二つあることです。作品が終わったと思ったら、「二つの結末のどちらかを消すことはできなかった」というアメリーの言い訳の後に、もう一つのラストシーンがくっ付いているのです。わたしはこれは、二つの作品を書くべきだと思いましたね。
あと「殺人者の健康法」。これは結末から言うと、変わった趣の純愛小説と言えるかもしれません。しかし、しょうもないことがやたらと書かれています。いずれの作品もありきたりな感じがしなくて楽しめました。
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written by* 森音 |
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[150]** ** ** |
2005/07/19 20:21 |
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森音さん、いらっしゃいませ〜。レスおくれぎみですみませんっ。うちのパソコン、どうも夏場になると調子悪いんです。画面が消えるという持病が……(飼主に似て持病持ち)。古すぎてフラッシュもバージョンアップできず、だんだん表示されないコンテンツが増えてきちゃってて、ついに性能的に寿命っぽいんで、買いかえ検討に入っとります(飼主自身の身体もできることなら買いかえたいっっ)。
アメリー・ノートン、やっぱり皆様すでに読んでおられますね〜。おそいっすね、わたし。最初に上陸して話題になっていた記憶がないので、どうも読書の空白期に上陸したみたいなんですね(前からず〜っと空白期ちゃうんけ、というつっこみ多数)。
「午後四時の男」が一番おもしろそうなんで、次に本屋に行ったらさがしたいです。
> ただ日本の商社でコピー紙をそんなに無駄に使わせるわけないだろうとか、気にかかるディテールはありましたけど。
問題を二つに切り分けますねっ。
まずは実際にありえるか、という話ですが、回収してきた賞味期限切れの牛乳をちゃんとした洗浄もしてない施設でずっと再利用しつづけて黄色ブドウ球菌を大量発生させた食品メーカーとか、バケツの中でウランをまぜていて臨海事故起こした核施設とか、いろいろすさまじい例があるんで、きっと実態はなんでもアリだと思いますよ〜。
要は日本人って、「猫の首に鈴がつけられない人たち」のような気がします。ので、うまくいっているときはいいんだけど、一度間違った方向に行きだすと、ホントは誰もいいと思っていない方向にいくらでも進んでいく、という大欠点があるような……。
この本の中では、副社長がみんなの前で部下を罵倒しているのを見て、「そんなおこり方はおかしい」とその場で言わなかったんだけど、たしかに言ったほうが余計に事態が悪くなったかもしろないけど、やっぱり言うべきだったと後悔する――というシーンがありますが、あれがキーのような気がします。
ただ、ホントにフランスやベルギーにはあんな会社はないのかどうか、という点はわたしにはわかんないですが(アメリー・ノートンだってベルギーでは就職してないようだからわからないかも)。
次に、フィクションとして考えると、たしかに「そんなバカな」といわれるのもわかる気がします。フィクションは「ありそうなこと」を積み重ねてつくるものなので、あの会社はたしかに「なさそうなかんじ」がする域に入っているかも。かつて「シンドラーのリスト」を見ていたアメリカの若者が「こんなことあるわけない」と大爆笑していた、という話をきいたことがありますが、そんな感じですね。べたな言い方をすると、事実は小説より奇なり……。
でもそういうことを気にしすぎると小説に書けることの幅ってどんどん狭くなっちゃうんですが。この問題は追及するとややこしいことになるかも……。
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written by* KS@管理人 |
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[151]** Happy Birthdy ** |
2005/07/19 21:15 |
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お誕生日、おめでとうございます。ハッピーな日で良かったですね。誕生日というと、自分の誕生日の季節が好きである場合が多いように思います。たぶん産まれたときの環境が、自分に適したものになるからなのでしょう。そのパソコンはもしかしたら、冬生まれだったりして・・・。
「畏れ慄いて」についてですけれど、考えてみたらアメリーさんは日本の商社に三年いたわけですよね。それなら良く知っているはずで、おかしいと思う部分はこの人のジョークなわけでした。
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written by* 森音 |
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[152]** ** ** |
2005/07/24 19:53 |
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お祝いの言葉、ありがとうございます〜。
ちなみに機嫌よくシャンパーニュ飲んで、翌日残りを飲んで、その翌日、風呂出たらゆるい熱中症みたくなってぶったおれかけました。
(^_^;)
アルコール、しらぬまに負担になっていた模様です。やっぱり病人だっ。とほほ。
> おかしいと思う部分はこの人のジョークなわけでした。
この人の書く文章は全体に描写とか空想とかが大量に出てくる過剰で饒舌な文体で、おかげで文学として成立しているんだけれども、同時にリアリティという意味ではしんどくなるのかな〜、とかわたしは思いましたがっ。でもこの話をひたすらくら〜く書くと誰も読めない話になるので、ベストセラーになるほど読みやすくしたのはきっと戦略的に成功なんでしょうねっ。
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written by* KS@管理人 |
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